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素材を見つめる力と、お客様を見つめる心で最上階で最高のひとときを

天王洲アイルで料理をふるまうヒト

野口 武

株式会社阪急阪神ホテルズ 第一ホテル東京シーフォート
鉄板焼 天王洲 統括シェフ

併設された宴会場「トップ・オブ・ザ・ベイ」では、不定期で開催される平日限定の「ジャストランチ」が好評。ジャスト1,000円で食事とベイエリアの景色が楽しめる。「東京湾や外苑の花火も見える28階からの景色は、毎日が絶景。雨の日には、お台場の夜景が海に浮かび、雨なら雨の良さがあります」(野口シェフ)

PROFILE

野口 武(のぐち・たけし)
東京都出身。1984年株式会社第一ホテル(現:株式会社阪急阪神ホテルズ)に入社。数々のレストランを経て、2011年より鉄板焼「天王洲」のシェフに就任。品川神社にて開催される「品川かぶ」の品評会へも参加するなど、地元の食材もうまく取り入れながら、上質な素材を最大限に活かした“素材ありき”の鉄板焼きを提供している。「美しい海や夜景を見ながら、シェフとの会話や素材が焼かれる瞬間を、ぜひお楽しみください」

お客様一人ひとりに オーダーメイドの鉄板焼きを

天王洲アイル駅からシーサイドへ。第一ホテル東京シーフォートの最上階、28階に鉄板焼「天王洲」はある。地上100m、一面ガラス張りの店内には、東京のパノラマが眼下に広がっている。穏やかな東京湾へ船が行き交い、夕方にはレインボーブリッジが存在感を増し、六本木や新宿のビル群まで、煌びやかな夜景をカウンター全席から味わえる。

「普通のレストランとは違い、シェフが目の前で焼き上げるのが鉄板焼きの醍醐味。ゆったりと食事を楽しまれるお客様が多いですね」とは、統括シェフの野口氏。国産牛ステーキなど本格的な鉄板焼きが楽しめ、魚介も肉も少しずつ両方を楽しめる“なでしこランチ”など女性一人でも気軽に来店できるよう工夫し、多くの人に鉄板焼きを楽しんでもらいたいという。

「ディナータイムは、もちろんこの夜景が自慢。そして、絶景を楽しみながら、熟練シェフのパーフォマンスと、そこで生まれる会話を味わって欲しいですね。テーブルを囲んだ食事とは、ひと味違う空間を過ごしていただけると思います」

色を変え、温度を変え、食材が“料理”へと変化していく姿は、旬を感じ、香りまで楽しめる瞬間。訪れた子どもたちも釘付けになるという。

「お子さまの好きな素材を、大人より少し柔らかめに焼いたり、お客様一組ひと組の年齢や好みに合わせて、私たちは調理していきます」

オーダーメイドの一皿は、きっと一晩を忘れられないひとときに演出してくれるだろう。 の頭文字をとった造語。  

 

鉄板焼きは“一期一会”

記念日を、最高のひとときに 「中学生の頃、遊びに行った同級生の家で何気なく出された“カナッペ”に衝撃を受けました。今思えば、思春期の男の子が料理の道へ進もうとしたきっかけ。私にとって、一期一会ですよね。人生には、そうした何気ない出会いが、大きく影響することがあるでしょう」

厳選素材をホテルの最上階で楽しむ、となると記念日に訪れる顧客が多いという「天王洲」。“記念日プラン”の提示や、食べられない食材が無いかなど、来店前からの細かな気配りはもちろんのことだが、その“出会い”自体を野口シェフは大切にしているという。

「そもそも、鉄板焼きとは、極上の素材との出会いを大事にする調理スタイル。手をかけるより、手をかけすぎないよう、よく見ておくことが大事です。いらっしゃるお客様も同じ。積極的に話かけなくとも、よく見て、以前いらした方ならどう過ごされていたか思い出しながら、接客しています。話上手ではなくとも、一組ひと組よく見ていれば、自然とそこに会話が生まれるんです」

というのも、記念日には必ず「天王洲」という顧客が多く、帰り際に一年後の予約を入れる人が多いのだとか。もちろん、記念日の直前に予約を入れたとしても、一年前と同じシェフが担当できるように配慮しているという。

「それぞれに、お客様との一期一会を楽しんで欲しいから、うちのシェフ全員に笑顔でカウンターへ立ってもらうことが、私の“統括シェフ”としての役割ですね」

素材を見つめる料理人としての力、お客様の心を見つめる心づかい、若手シェフを送り出すあたたかさを持って、野口シェフの織りなす「天王洲」という鉄板焼きスタイルが成立している。 野口シェフの一皿を堪能し、家族で笑い合ったあと、ふと顔を上げると、来た時と表情が違う天王洲の景色が見えるのかもしれない。

 

©KAZESORA〜風空〜 http://kazesora.co

こちらは2015年3月18日に発行された風空no.4の記事です。

text & photo : BTTB inc.

TENNOZ PEOPLE

text:さくま えり

Photograph:小菅聡一郎  

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