展示室を公開制作スペースとし、作家の新作を展示した空間に作家が通い、新たな作品を制作していきます。第1弾は、自然現象からインスピレーションを受け、作品の中に偶然性や現象的要素を取り込みながら多様な視覚体験を生み出す試みをしている能條雅由氏をお迎えします。今回の公開制作では、作家が新たに取り組んでいる樹々の年輪や細胞の蠢きを思わせる「Links」シリーズを制作、箔を用いた代表作「Mirage」シリーズの新作もあわせて展示します。また、本展のために撮影した作家へのインタビューや作品の制作プロセスを記録した映像を通して、作家の思考や制作方法に迫ります。
WHAT MUSEUMは、公開制作という作家と直接的な接点が生まれる場を提供することで、来館者が普段目にすることのない作品が生まれるプロセスに立ち会い、作家の思考や作品への深い理解といった新たな発見を得る機会を創出します。また作家にとっても、通常とは異なる環境と空間に身を置き、来館者とコミュニケーションを取りながら制作することで、新たな作品を生み出すきっかけになることを願います。来館するたびに、時とともに移り変わっていく作品の姿を鑑賞いただき、ここでしか出会えない作品と作家とのコミュニケーションをお楽しみいただけます。
WHAT MUSEUMでは、多彩な作家たちをみなさまにご紹介するため、今後も公開制作を開催していく予定。
本展会期中に制作した作品を販売するほか、関連イベントとしてワークショップやトークイベントを開催します。詳細は公式ウェブサイトで順次公開します。
4月29日(土)
5月3日(水)、6日(土)、10日(水)、13日(土)、17日(水)、20日(土)、24日(水)、27日(土)、31日(水)
6月3日(土)、7日(水)、10日(土)、14日(水)、17日(土)、21日(水)、24日(土)、28日(水)
7月1日(土)、8日(土)
※滞在時間は各日13:00から17:00までです
※滞在日程は変更になる可能性があります。最新情報はWHAT MUSEUM公式SNSよりご確認ください
※作品の完成は7月上旬を予定しており、それ以降は完成した作品をご覧いただけます
能條雅由(のうじょう まさよし)氏について
1989年生まれ、2015年に京都芸術大学(旧:京都造形芸術大学)大学院修士課程を日本画専攻で修了。コンテンポラリーな表現と日本美術の美学を融合した独自の表現方法で、人々の記憶や時の流れといったテーマを追求。大学在学中、社会における記憶(集合的記憶)に興味を持ち、様々なメディウムや技法でその追求を行ってきた。また、創作から恣意性を取り去るために、写真を取り入れたミクストメディアによる表現方法として、記憶のイメージを構成する最小単位としての色とフォルムを写真から抽出し作品に反映させている。撮影した写真を分解・再構築し、銀箔の表現に落とし込むことによって、写真は持っていた事実性や具体性をなくし、誰もが何処かで見たことがあるようなぼんやりとした印象を作品に与える。このような独特な方法でつくられた作品は、鑑賞者の深くにある記憶と結びつき、心の中に“ある既視感”を生む。(YUKIKO MIZUTANI)
【同時開催】
WHAT MUSEUM1階SPACE1および2階にて、高橋龍太郎コレクション「ART de チャチャチャ −日本現代アートのDNAを探る−」展を開催します。
【出展作家のインタビュー映像を公開】
WHAT MUSEUM公式YouTubeチャンネルでは、「WHAT ARTIST INTERVIEW」と題して展覧会に出展する作家のインタビュー映像を公開しています。本展覧会に関するインタビューは会期中に順次配信予定です。
公式YouTube:https://www.youtube.com/c/WHATMUSEUM