日本で初めてとなる個展「虚実皮膜」。
この言葉は、穂積以貫著『難波土産』に、江戸時代の浄瑠璃及び歌舞伎の作者である近松門左衛門の芸術論として記されているもの。
芸の面白みは事実と虚構の間の皮膜にあるという意味を持つ。
今回この展示会では、その言葉の視覚情報に焦点を当てているもので、事実と虚構の間にある物の皮膜を記録、発表するものである。
それは、2011年の震災や原発事故後、故郷宮城に見る嘘のようで嘘ではない現実の光景を目にし、そこから実のようで実ではない想像の
光景を描くようになったからだ。
どこか超現実的な世界を想像させるその光景。そこには、故郷を離れ暮らす私が故郷を2011年以降どのように見るようになったか、
そして他者からそこがどう見られるようになったか、主観と客観の間の虚実皮膜が存在する。
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