天井の高い近代的なビジネスホール天王洲セントラルタワー・アートホール1Fで開催します。
世界中で活躍し続けるアルゼンチン人映画監督/写真家のMarcelo Von Schwartzと音楽家/パーカッショニストの永井朋生によるコラボレーション。
東京をテーマに撮られたマルセロの16作品の全てに永井の音楽がつき、壮大な「STILL MOTION・静と動」、サウンドスケープの世界。
色・音程・形・音色・構成・リズム…何が動で、何が静なのか。
※会場へご自身の、イヤホン、ヘッドホンをお持ちいただきますと全ての音楽をお楽しみいただけます。
※QRコードをスキャンし、楽曲を ストリーミングしてお楽しみください
<会 期>
2021年11月08日(月)~11月26日(金)
Open 8:30-20:00
※土・日・祝日休館
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1.静(STILL)と動(MOTION)について
見る物と見る人の関係が「静」(STILL)になることはめったにありません。
なぜなら通常、2つのうちの1つが動いているのです。
物が移動して見えている間、見る側は静止していて、その逆もまた同様です。
映画館では、映像動画を動かすために、見ている者は座ったまま画面を見つめている必要があります。…では美術館で絵画を見る時はどうでしょう?
静止画像は見る者との間に「動きのアイデア」を提示しているのです。何が「静」で何が「動」なのか静止画の作品を見る時、
ある程度の距離を保って静かに眺める。一般的にはそのように見られることが多いでしょう。
でも私はただ「見る者」として静止画の前で立ち止まっていても、ただ静止していることは決してありません。
私は「視覚的な旅」を自分の中で作り出して楽しむのが好きです。
のんびりとした旅の中で、細部や断片を発見し、頭の中で何度も行ったり来たりして、また元の場所へ戻ります。
新しい旅をするたびに、作品は新しい意味を持ちます。そして何年もかかって、私の目は変わり、成長し、新しいルートを発見し、
同じ作品の新たな体験として別の意味をもたらしてくれます。
作品が残っている間、その旅は空間的にも時間的にも変化して行くのです…。
今回はそんな無限大の見方の可能性を探して、楽しんでもらえる16点の作品を紹介します。
活動写真が登場し始めて以来、多くの音楽が動画とともにありました。音楽と動画の結びつきは非常に強く、私にとってはそれらを分けて考えることは不可能なことでした。そんな中「静止画像と音楽」とのコラボレーションはまったく新しい概念世界をもたらしてくれました。永井朋生の素晴らしい音楽は、作品に新たな次元を与えてくれました。その質感、音、この展覧会の各静止画像のために作曲された音の世界は特別で、各作品の中を旅するかのように誘い、一連の目に見えない道を無限の繊細さで織り上げてくれました。これは新しい道を作り出し、多角的な方角から「視覚的な旅の風景」を発見する別の方法だったのです。真のサウンドスケープとも言えるのではないでしょうか。
2.不思議な通路
私が幼い頃、私がとある本に困惑していたことを覚えています。それは都市ブエノスアイレスについての話で、古い教会の隣にある1つの場所で、「名もなき狭い小道」は別の時間の秘密の場所と繋がっているというものでした。それから私は他の本、他の都市で同じ様な話を見つけました。それからと言うもの、各都市に他のスペースと通信する秘密の通路があるかもしれないと考えに魅了されていきます。私自身、何度も探して回りましたし、私の各旅行の究極の目標はまさに、これなんだと思っています。まだ見てはいませんが…。
私の東京の写真は実際に見える空間を必死に循環する群衆を多角的にとらえています。その静止画像を動く空間に変えるのはみなさん観察者の旅です。しかし、すべての写真には基本的なテーマがあります。それは秘密の小道、別の空間に繋がっているかもしれない、秘密の通路を発見しようとすること。東京にはこのような秘密の空間が無数にあるのだと思います。永井朋生が紡ぎ出した素晴らしい音と質感が多くの不思議なレイヤーを作り出し、隠された不思議な通路を探す旅のお手伝いをします。
≪マルセロ・フォン・シュワルツ≫ 映画監督、建築家、芸術写真家
彼の作品は物事の暗い側面に焦点を当てていることで知られています。
20以上の映画/ビデオアートプロジェクトに取り組み、近年、バイノーラルビートの催眠特性を活かした長編映画「Dark Bridge Binaural Brainwaves」をリリースしました。
彼の作品は、常に新しい課題と限界を模索しながら、さまざまなジャンルの組み合わせが反映されています。
建築プロジェクトは未来的なソリューションに焦点を当て、映画では脳神経科学からのアイデアも取り入れた特殊な手法によって表現されています。
また彼の写真は現実的には不可能な世界。現在、MC・エッシャーの作品世界を引き継ぐ人の1人と称されています。
《創造の旅》
マルセロ・フォン・シュワルツは、ブエノスアイレス大学で建築を学び、アルゼンチンで最も影響力のある映画製作者の1人であり、
60年代のアルゼンチンヌーヴェルヴァグの前身であるデビッドホセコーンの下で映画製作を学びました。
バルセロナでアートディレクター兼プロダクションデザイナーとしてさまざまなインディペンデント映画に携わった後、
35mmネオエクスプレッションの短編映画「フェニックス」を制作。この映画は世界中の30以上の映画祭でいくつかの賞を受賞し、
国際的に認められる存在となる。
2014年に映画「Dark Bridge BinauralBrainwaves」を発表。これは彼の最初の長編映画で、全てバンコクで撮影。
映画の音楽全体にシータバイノーラルブレインウェーブを導入して催眠的な要素を取り入れた手法は、新しいニューロシネマ運動の前兆である
「新しい潜在意識の映画体験」への扉を開く最初の長編映画です。
近年、RECOIL Selected World Tour 2010-2011で、RECOIL(Alan Wilder、元キーボード奏者、Depeche Modeのソングライター)との
ビジュアルコラボレーションや、2022年にアジアで撮影予定のVRスリラー3D映画プロジェクトが進行中。
≪永井朋生≫ パーカッショ二スト、作曲家
1975年静岡生まれ。東京芸術大学大学院修了。
世界各地で出会った素材から音を見つけ、独自のコンセプトに基づいて国内外での演奏、作曲活動を行う。
インドネシア、ブラジルサンパウロ、フランス、モロッコ、アイスランド、リトアニアなどの国外ツアーにて多くのフェスティバルへ参加。
世界文化遺産三保松原の三保松原文化創造センター(みほしるべ)の館内音楽「オトノキ」、和歌山県白浜の南方熊楠記念館、館内音楽「南方熊楠音楽」、
同県JRきのくに線の31駅のホームの音楽「Sounds for 31 Stations」、東京都品川区にあるオフィスビル=天王洲セントラルタワー内の音楽「Sounds for TENNOZ CENTRAL TOWER」など、公共施設の音楽デザインを作曲。また日本遺産の八王子「桑都物語」導入動画、日本遺産鳥取のプロモーション動画の作曲などを行う。
ブラジルのテアトルユバ、静岡SPACや劇団ひまわりの舞台音楽、映画「ほとく」や「たまご」等の音楽を担当。
NHKスペシャル「人類誕生」やテレビ番組「イアリー」、角川映画「世界でいちばんあかるい屋根」の音楽への参加、
NIKE LAB RADIO「夢の処方箋」音楽担当。2013年フランスC.C.F.J.Tよりソロアルバム「514Pictures」、その他アルバム多数発表。